遺言書と遺言のちがい

亡くなられた方の最後の意思表示として、遺言書や遺言があります。財産を「誰に」「どのように」渡したいとか、生前お世話になった方へのお礼などを伝えることができます。できることならば、元気なうちに直接伝えたいものですが、いつ「その時」が訪れるのか予測できないため、遺された家族が戸惑わないよう、事前に準備しておくことをおすすめしています。
「最後の意思表示」という点では共通しますが、「遺言書」には、法的効力があり、民法の法定相続割合よりも優先して、財産を引き継がせることができます。それだけに、様式などに規定が定められており、せっかくの遺言書が無効となってしまうケースもみられます。
一方で、故人が生前よく言っていたことやエンディングノートに記載されている内容は、「遺言」であり、尊重されるべきですが法的効力はありません。
遺産分割は、「遺言書」があれば、記載されている内容で行いますが、ない場合には、法定相続割合もしくは相続人間での話し合い(遺産分割協議)で決めることができます。
なお、遺言書には、財産の分割方法などのほか、想いや相続人に伝えたいメッセージを自由に記載することもできます(「付言事項」と言います)。
故人の想いを受け止めることが何よりですが、もし、納得のいかない場合や揉め事に発展しそうな場合には、早めに弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。