遠方にある「お墓」の引越しがしたい

「お墓が遠い」「お墓の跡継ぎがいない」「管理・維持が大変」「自分自身の年齢や体調を考えると、そうそう墓参りにも行けない」などお墓に関する悩みや相談が増えています。

核家族化、都市部への人口流出など親族が離れて生活することも珍しくありません。また、承継を前提とした祭祀に対する意識も変化しつつあります。

現在のお墓を整理して、遺骨を別の場所に移すことを「墓じまい」、納骨堂や永代供養墓など新しいお墓に引っ越しさせることを「改葬」と言います。

厚生労働省の「衛生行政報(令和5年度)」によると、2023(令和5)年の改葬件数は、16万6886件で過去最高となりました。一方で、長期間放置されたままの無縁墳墓等は増加しており、各自治体では限られた予算のなかで悩みの種となっているようです。

なお、「墓じまい」「改葬」にあたっては、「墓地・埋葬等に関する法律」により、お墓の所在地の市町村長から改葬許可を受けなければなりません。また、墓石から魂を抜く閉眼供養のお布施のほか、遺骨をとりだす費用、墓石の撤去解体工事、更地にする費用などさまざまな名目の費用が発生します。金額には幅があり、また、檀家を離れる離檀料や事務手数料を請求される場合もあります。後々のトラブルを避けるためにも、事前に確認をしておきたいところです。

樹木葬や納骨堂、海洋散骨など選択肢が増えたことも、「墓じまい」「改葬」を考えるきっかけとなっているようです。それぞれの事情や価値観を大事にしつつ、納得の供養を考えたいですね。

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